逆走式・静岡ロケ報告(3) 沼津の印刷所

10月21日の夕方から、沼津の文光堂印刷で芳子が出張校正しているシーンの撮影。印刷機を操作しているのは、実際にこの会社で活版印刷機を担当している職人さん。百合子と話している営業担当者は、この会社の社長さんで、お二人にエキストラ出演をお願いした。

大正・昭和初期には活版印刷が主流だったが、現在ではオフセット印刷が主流。今でも活版の印刷機と活字を使っている印刷会社は少ない。静岡県内で探し、出会ったのが文光堂印刷。ここでは、工場の隅に戦前にも使われたなんと手差し(人の手で給紙する)の活版印刷機を残し、現役で使われていた。

『愛国婦人』を、芳子が出張校正(印刷所に編集者が出張して校正する)しているシーン。実際には編集者用の出張校正室があり、食事なども接待されたが、ここでは印刷の現場に来て最後の直しをしている設定とした。

これが手差しの印刷機。浜野監督が、印刷の職人さんなら手がインクで汚れたりしているのではないだろうかと言ったら、この方はキッパリ「それは下手な証拠」。上手な職人さんなら手を汚したりしないという。納得。

撮影後に、文光堂印刷の皆さんと記念撮影。ありがとうございました!